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零戦の振動 Ⅰ – 機体編

12月7日に切削油技術研究会様の第80回総会が開催され、その中の基調講演として「零戦の振動1-機体編」のお話をさせていただきました。

切削油技術研究会様は日本全国の自動車をはじめとした様々なメーカーが参画する組織で、切削技術の向上を目的とした技術発表会を毎年1回開催されていらっしゃいます。

今回で80回目ということで、まずはその歴史の重みに敬服しました。

切削技術はモノ作りの原点であり、高精度な部品加工無くして高品質・高性能な製品は生まれません。

日本はこういった加工分野での研究開発が盛んだからこそ今があるのだと思います。

場所は東京・市ヶ谷。外堀通り沿いの風情豊かな場所に立つホテルで、250名程のエンジニアが参加して数々の技術発表が行われました。

高精度な加工を行う上では低振動化が不可欠ということで、皆さま振動に対する造詣が深く、たいへん熱心にご聴講くださり、正直嬉しかったです。

このような貴重な機会をいただけたことに心から感謝したいと思います。

ご参加いただいた皆様、そして今回お声かけくださった幹事企業の方に、この場をお借りして改めてお礼申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

振動解析セミナー in 大桟橋通り

9月に「NX Nastran振動解析セミナー」が開催されてから既に1ヵ月が経ちました。本当に時の経つのは早いものです。

このひと月の間、たいへんありがたいことに追加開催のご要望を数多くいただきましたので、12月にも開催させていただくこととなりました。

リクエストをくださった皆様にはこの場をお借りして改めてお礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。

今回のセミナーはエアロメカ主催ですので、場所が横浜・関内の大桟橋通り沿いにある横浜情報文化センターとなります。

この辺りは11月から12月にかけて、黄色に色づいた街路樹の葉がたいへん綺麗で、散歩するだけでも気分がよくなりますのでお勧めの場所です。(セミナーとはあまり関係がありませんが。。)

セミナーの詳細については、エアロメカHPをご覧になってみてください。

semi3
横浜情報文化センター

☆☆☆☆関連情報☆☆☆☆

☆前回の開催リポート

☆Nastranとは?

☆実習例題のご紹介記事

☆セミナーコンセプトのご紹介記事

What’s Nastran?

Nastran(ナストラン)というのは、1960年代にアメリカで誕生した構造解析用ソフトウェアのことで、NAsa STRuctural ANalysis(NASA構造解析)を略した製品名称です。航空産業のみならず世界中の製造業で使用されています。

Nastranには同じ名称でいくつかの種類があります。NX NastranやMSC Nastranなど、他にもいくつかありますが、いずれも、最初は同じような機能を持って誕生し、その後独自の機能を有するようになっています。NXやMSCはブランド名もしくは企業名です。

エアロメカではシーメンスPLMソフトウェア社様のNX Nastranを使用しています。

Grid & Element

エアロメカでは有限要素法を用いた様々なコンピュータシミュレーションを行っていますが、今日は、その有限要素法についてのご紹介です。

有限要素法とは、Finite Element Methodの和訳です。具体的には、本記事のタイトルにもありますように、GridとElementを用いて構造を表現するシミュレーション手法のことです。Grid(グリッド)は”節点”、Element(エレメント)は”要素”として各々和訳されています。

この節点と要素で構造物を細かく分割したものを”メッシュ”と呼び、メッシュ分割された構造をメッシュモデルと呼んでいます。たとえば、Figure 1のような平板のメッシュモデルはFigure 2のようになります。

plate2_surface
Figure 1. 平板

 

plate2b_mesh
Figure 2. メッシュモデル

 

この平板に力を加えたときの変形量を知りたい場合、メッシュモデルに力を定義して有限要素法ソフトウェア(NX Nastran)で計算すると、Figure 3のような結果が表示されます。

plate2_contour
Figure 3. 変形図

 

Figure 3は板の中央部に力を加えたときの変形図ですが、このようなシンプルなケースでは手計算でもある程度結果を見積もることができます。しかし複雑な構造の場合、たとえば自動車の車体のように3次元形状をしているパネルが何枚も接合された構造では、手計算からその変形状態を求めるのは大変な作業になりますので、有限要素法が極めて有効な手段になります。

有限要素法はいまや製造業では必須の設計ツールといってもよいほど様々な産業分野で広く活用されています。