固有モード計測(ハンマリング試験)における加速度センサー質量の影響(共振周波数の変化)

ハンマリング試験により固有モードを抽出する場合、はじめの一歩となるのが伝達関数の計測です。この伝達関数のピーク周波数から固有モードを抽出しますが、明瞭なモードシェイプが現れないことがあります。これはピーク周波数が計測する点(応答点)によって変化していることで生じます。応答点によってピーク周波数が異なるというのは、計測対象となる供試体の非線形性の他、加振力が大きすぎる場合や質量の大きい加速度センサー(ピックアップ)が取り付けられている場合にも生じます。加速度センサーにはさまざまなサイズのものがあり、基本的には、できる限り軽量のものが望ましいのですが、3軸センサーの質量は最小でも1グラムなため、1グラムによって周波数が変動する場合は、それよりさらに小さな質量0.2グラムのものを使用します。ただし、0.2グラムは1軸のため、全応答点の計測に時間を要します。固有モード抽出の際、ご参考にしていただけましたら幸いです。