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移転のご案内

この度、会社を移転いたしましたのでご案内させていただきます。創業以来19年間を過ごさせていただきました横浜市都筑区から横浜市中区へ移転いたしました。これまでの19年間は、2008年のリーマンショック、2011年の震災、そして2020年から2022年までのパンデミックなど、どちらかというと多くの皆様に苦難をもたらした出来事の方が多く思い出されます。そのような時代の中、会社もその度に「氷河期」を経験してまいりましたが、今回の移転は、今後またやってくるかもしれない氷河期に向けた備えとしての業務効率化を目的として実施いたしました。これからもより一層ご用命いただきやすいワンストップサービスを目指し、効率的な仕事ができるよう精進してまいりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

バー要素(梁要素)のご紹介

バー要素が使われる箇所

近年では使用頻度が少なくなってきているバー要素ですが、押し出し型材を組み合わせて構成される大型構造物では、まだまだバー要素が用いられています。部材結合部の局所的な剛性を再現する上ではソリッド要素でモデル化する方が有利ではありますが、節点数が膨大となって計算時間がかかってしまいます。バー要素は計算機の性能が今ほど高くなかった30年ほど前までは短時間で結果を出せるという点で様々な構造モデルで使用されていました。

バー要素のその他のメリット

断面積、断面2次モーメント、およびねじり定数(断面2次極モーメント)で構造を表現できるバー要素は、簡単な断面形状であれば暗算でも曲げ剛性やねじり剛性を算出できます。このような暗算は解析結果の妥当性をチェックする上でとても役立ちます。「断面2次モーメントが何パーセント変化したから共振周波数は何パーセント程度変化するはず」といったようにチェックすることができます。これは共振周波数を実測する場面では、計測される周波数がおおよそ何ヘルツくらいになりそうかを予測することができるため、実験結果の妥当性チェックにも役立ちます。

早稲田大学エクステンションセンター夏期講座のご案内

いつもご覧くださり、ありがとうございます。この度、早稲田大学エクステンションセンター様の夏期講座のひとつとして、「零戦の振動」に関するお話をさせていただくこととなりましたので、僭越ながらご紹介させていただきます。

当センター様は、1981年の発足から40年以上にわたり公開講座を広く一般に提供なさってこられた由緒ある教育機関で、そのような貴重な学びの場において夏期講座に携わらせていただけることになり、とてもありがたく思っております。

講座は7月3日から8月7日までの週1回、全6回で構成されています。開催場所は早稲田大学様の早稲田キャンパス(東京都新宿区)になります。

零戦の開発を通して成し遂げられた日本の技術革新について、少しでも多くの方々にお伝えできるよう、さまざまな工夫を織り込んでご紹介させていただく所存です。もしご関心がおありでしたら、お手数ではございますが早稲田大学エクステンションセンター様の開催概要ページをご覧いただけましたら幸いです。

#1 / 2024年7月3日(水)10:40~12:10

#2 / 2024年7月10日(水)10:40~12:10

#3 / 2024年7月17日(水)10:40~12:10

#4 / 2024年7月24日(水)10:40~12:10

#5 / 2024年7月31日(水)10:40~12:10

#6 / 2024年8月7日(水)10:40~12:10

講師ご挨拶

BNC ケーブルの取り扱い – ハンマリング試験への影響

ハンマリング試験においてインパルスハンマ(インパクトハンマ)や加速度ピックアップ(振動センサ)をFFTに接続する際にBNCケーブルを使用します。

BNCケーブルはBNCプラグ(コネクタ)、導線(信号線)、絶縁体、および外皮から構成されるケーブルのことです。外皮にはPVC、ポリウレタン、テフロンなどが用いられています。ケーブル自体はしっかりした外皮で覆われており安心感があるのですが、一方で、長いケーブルを取り廻す際には少し注意を要します。

ハンマリング時に正常にトリガーがかからない、または加速度信号に大きなノイズが生じるような場合、BNCケーブルの接触不良が関与していることがあります。この接触不良は、詳しく調べたわけではありませんが、ケーブルのねじれによってBNCプラグ結線部で導線が回転することによって生じているようです。この接触不良はしばらくすると改善し、またしばらくすると発生するという定常性に乏しいことが多いため、なかなか気づきにくく、ハンマリングの仕方に原因があるように思って何度も計測をやり直して時間を浪費してしまうことがあります。

このようなBNCケーブルの接触不良を防ぐには、BNCプラグとケーブルの結線部に生じるねじれを極力小さくすることです。特にケーブルを巻いて収納する際にはねじれやすいので、無理な巻き方を避けるなど慎重さが求められます。