T.A のすべての投稿

部品結合部の減衰(構造減衰、損失係数)の影響

実測された振動をコンピュータで再現するとき、共振周波数は再現するものの周波数応答波形(伝達関数)で見ると波形の傾向が再現されないことがあります。たとえば、削りだし部品や鋳物部品など、単一部品では波形を再現するところが、複数結合すると波形が再現しない、といったケースです。このような現象は、部品結合部の減衰(構造減衰=損失係数)が波形のピーク周波数を変化させているために生じることが多いです。複数結合された系の共振周波数が実測値を再現していないということではないため、メッシュモデルではなく、その部品結合部に減衰要素を追加することで波形傾向が再現するようになることがあります。ご参考にしていただけましたら幸いです。

移転のご案内

この度、会社を移転いたしましたのでご案内させていただきます。創業以来19年間を過ごさせていただきました横浜市都筑区から横浜市中区へ移転いたしました。これまでの19年間は、2008年のリーマンショック、2011年の震災、そして2020年から2022年までのパンデミックなど、どちらかというと多くの皆様に苦難をもたらした出来事の方が多く思い出されます。そのような時代の中、会社もその度に「氷河期」を経験してまいりましたが、今回の移転は、今後またやってくるかもしれない氷河期に向けた備えとしての業務効率化を目的として実施いたしました。これからもより一層ご用命いただきやすいワンストップサービスを目指し、効率的な仕事ができるよう精進してまいりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。

バー要素(梁要素)のご紹介

バー要素が使われる箇所

近年では使用頻度が少なくなってきているバー要素ですが、押し出し型材を組み合わせて構成される大型構造物では、まだまだバー要素が用いられています。部材結合部の局所的な剛性を再現する上ではソリッド要素でモデル化する方が有利ではありますが、節点数が膨大となって計算時間がかかってしまいます。バー要素は計算機の性能が今ほど高くなかった30年ほど前までは短時間で結果を出せるという点で様々な構造モデルで使用されていました。

バー要素のその他のメリット

断面積、断面2次モーメント、およびねじり定数(断面2次極モーメント)で構造を表現できるバー要素は、簡単な断面形状であれば暗算でも曲げ剛性やねじり剛性を算出できます。このような暗算は解析結果の妥当性をチェックする上でとても役立ちます。「断面2次モーメントが何パーセント変化したから共振周波数は何パーセント程度変化するはず」といったようにチェックすることができます。これは共振周波数を実測する場面では、計測される周波数がおおよそ何ヘルツくらいになりそうかを予測することができるため、実験結果の妥当性チェックにも役立ちます。

早稲田大学エクステンションセンター夏期講座のご案内

いつもご覧くださり、ありがとうございます。この度、早稲田大学エクステンションセンター様の夏期講座のひとつとして、「零戦の振動」に関するお話をさせていただくこととなりましたので、僭越ながらご紹介させていただきます。

当センター様は、1981年の発足から40年以上にわたり公開講座を広く一般に提供なさってこられた由緒ある教育機関で、そのような貴重な学びの場において夏期講座に携わらせていただけることになり、とてもありがたく思っております。

講座は7月3日から8月7日までの週1回、全6回で構成されています。開催場所は早稲田大学様の早稲田キャンパス(東京都新宿区)になります。

零戦の開発を通して成し遂げられた日本の技術革新について、少しでも多くの方々にお伝えできるよう、さまざまな工夫を織り込んでご紹介させていただく所存です。もしご関心がおありでしたら、お手数ではございますが早稲田大学エクステンションセンター様の開催概要ページをご覧いただけましたら幸いです。

#1 / 2024年7月3日(水)10:40~12:10

#2 / 2024年7月10日(水)10:40~12:10

#3 / 2024年7月17日(水)10:40~12:10

#4 / 2024年7月24日(水)10:40~12:10

#5 / 2024年7月31日(水)10:40~12:10

#6 / 2024年8月7日(水)10:40~12:10

講師ご挨拶